末梢血液細胞紹介

好中球

 顆粒球系細胞の一つで正常末梢血に一般的に認められる。 やや顆粒がはっきりしないがスライドの様に核が分葉(複数に分かれる)した所見が典型的です。
 スライドは核が糸状になり分節している分節核好中球です。正常成人では白血球の50%程度みられます。
好中球

 分節核好中球



好中球





 リンパ球

 末梢血液中に認められる成熟リンパ球で丸い単核のきれいな細胞です。ウイルス感染時などに増加します。
 正常成人では白血球の30〜45%程度みられます。
リンパ球



リンパ球





単球

 末梢血液に見られる成熟した単球です。典型像はスライドで見られる様に馬蹄形の核を有します。
 末梢血液中にみられる最も大型の細胞です。組織中にはいって貪食細胞(マクロファ−ジ)となる可能性があります。
単球





好酸球

 顆粒球系細胞の一つで細胞質内に好酸性顆粒を持つ。
 正常では白血球の3%程度みられ、アレルギ−時などに末梢血液中に増加します。
好酸球





好塩基球

 顆粒球系細胞の一つで細胞質内に塩基好性の顆粒をもつ。正常では白血球の0.5%程度と少なく、顆粒にはヒスタミンなどが含まれ好酸球同様アレルギ−反応に関係しています。
疾患と関連した血液細胞
正常リンパ球





末梢血液中に見られたATL細胞
(異常Tリンパ球)

ATL:成人T細胞性白血病
 南九州に発症率が高くHTLV−1といわれるウイルスによって発症する疾患の一つです。
ATL細胞

 上記同様に核の切れ込みやクロバ−状の核型が見られます。
 核内は濃縮状で正常細胞に比べゴツゴツしたイメ−ジを受けます。
ATL細胞

 核型の不整や切れ込み等が顕著に認められる細胞です。


赤芽球

 赤血球系の幼若細胞です。
 通常末梢血液に見られる赤血球には核はありませんが病的な状態で認められます。
 スライドはMDSの症例です。

MDS:骨髄異型性症候群
 一種の前白血病状態。
多彩な赤芽球

MDSの症例より。 
赤芽球と後骨髄球

 4個の赤芽球の右側に顆粒球系幼若細胞の後骨髄球が見られます。

MDSの症例より。
骨髄芽球

 顆粒球系細胞の幼若細胞で通常末梢血液中に見られる事は殆どありません。

MDS症例より。
 骨髄芽球
 上記同様スライド中央に見られる細胞が骨髄芽球です。

MDS症例より。